誰もが願う愛犬の長生きと健康。
そのひとつの方法として、ペット用サプリメントのことを考えるコラムの第2弾です。
「愛犬の健康のために。ペット用サプリメントのこと①」では、サプリメント全般についてお伝えしました。
続く②ではもう少し詳しく見ていきましょう。
ベーシックサプリメントとターゲットサプリメント
前回のコラムで、人間用・ペット用問わずサプリメントは「栄養補助食品」だとお伝えしました。
食物だけでは補いきれない栄養素を摂取するのがサプリメントというわけですが、その目指すところにより、大きく「ベーシックサプリメント」「ターゲットサプリメント」に分けることができます。
■ベーシックサプリメント
ビタミンやミネラルなど、健康維持に必要な栄養素をバランスよく配合した総合サプリメントです。最も一般的で、市販されているペット用サプリメントの多くがこれにあたります。
シニア犬、これから高齢期を迎える犬、成長期の子犬、病気や怪我の回復期にある犬、体の弱い犬など、年齢・状態問わず広く与えることができます。
「愛犬の健康維持のためにとりあえず何かしたい」という飼い主さんは、まずはベーシックサプリメントを愛犬に与えることからスタートすることをお勧めします。
■ターゲットサプリメント
関節、皮膚、消化器官、肝臓、腎臓、呼吸器官など特定の器官の健康維持や、「落ち着かせたい」「ダイエットさせたい」など特定の目的のためのサプリメントです。近年その種類が増えています。
特定の器官に疾患がある犬の治癒サポートのほか、犬種によっては遺伝的になりやすい病気があるため、健康維持対策として愛犬に早めに与えることもできます。
明確な目的を持つ飼い主さんや、特定の犬種の飼い主さんにお勧めです。
関節 | グルコサミン、コンドロイチン など |
皮膚 | オメガ3酸、オメガ6酸、ビタミンE、ビオチン など |
消化器官 | ビタミンU(メチルメチオニンスルホニウムクロライド)、亜鉛 など |
肝臓 | メチオニン、コリン、Sアデノシルメチオニン など |
腎臓 | オルニチン、マグネシウム など |
呼吸器官 | レクチン、EPA、ビタミンA,C など |
成分によっては、摂取してもすぐに排出されてしまったり、他の栄養素と一緒でなければ体内に吸収されにくいものもあります。成分が相乗作用するよう、栄養素がバランスよく配合されたサプリメントが理想的です。
食べてくれなければ意味がない!
サプリメントは薬と違って、即効性を期待するものではなく、日頃からある程度継続的に摂取するものです。
私たち人間は、錠剤であろうと粉末状であろうと飲みにくい味であろうと、健康のために自分の意思でサプリメントを飲むことができますが、ワンちゃんはそうではありませんよね。どんなに体に良いサプリメントでも、肝心の愛犬が食べてくれなければ意味がありません。
愛犬がストレスなく毎日サプリメントを摂取できるよう、飼い主さんが与え方を工夫することも大切です。
いつものフードに混ぜるほか、最近ではオヤツタイプのサプリメントも登場していますので、愛犬の嗜好にあわせていろんなタイプを試してみましょう。
既に疾患がある場合
愛犬に特定の疾患があり、既に動物病院で治療、投薬を行っている場合は、サプリメントを与えることをかかりつけの動物病院に相談・報告することをお勧めします。
最近では、治療の一環としてサプリメントを積極的に取り入れている動物病院も増えています。(参考:コラム「今の病院で大丈夫? 愛犬のための動物病院の選び方」)
より適切なサプリメントを教えてくれることもありますし、ホームセンターやペットショップなど一般店舗では手に入らないサプリメントでも、動物病院で取り扱っていることがあります。
サプリメントはあくまで「補助」。愛犬の治療をスムーズに行うためにも、普段からかかりつけの動物病院とサプリメントについての考え方を話し合っておくと良いでしょう。
愛犬の健康のために
「病気を治してあげたい」「愛犬の健康と長生きのために、少しでもプラスになることをしてあげたい」。ペットにサプリメントを与えるという行為は、飼い主さんのそうした切実な想いからくるものです。
だからこそ、商品名やキャッチコピー、ネット上のランキングやクチコミだけで判断せず、じっくり厳選して本当に良いもの、愛犬に適したものを与えてあげましょう。